Daisuke Sakamoto 

高校時代の私は、特に明確な目標もなく、漠然と「働かなければ」と考えていました。卒業後は自衛隊に入隊しましたが、向上心を持てず、4年間の任期満了をもって退職しました。当時の私は、将来のビジョンがまったく描けていなかったように思います。

自衛隊退職を考えていた頃、「高卒の自分に何ができるだろう」と悩み、資格取得を目指して専門学校の情報を探していた際、“精神保健福祉士”という資格に目が留まりました。精神科での相談業務に強く惹かれ、精神保健福祉士を目指して専門学校への進学を決意しました。

専門学校卒業後は、札幌市内の精神科病院で看護助手として勤務し、資格取得に必要な実務経験を積みました。
医療現場での仕事は緊張の連続でしたが、先輩看護師の方々から看護目線での関わり方を学び、資格取得後は「医療と福祉をつなぐ精神保健福祉士になりたい」と強く思うようになりました。

資格取得後は、同院の訪問看護ステーションの相談員として、看護師とともに精神障害を抱える患者さんのご自宅を訪問しました。
最初は「精神保健福祉士として」という思いが強すぎて、看護師との意見の違いでぶつかることもありましたが、ベテラン看護師の方から医療と福祉の連携の大切さを改めて教えていただきました。

訪問看護を続ける中で、病院の相談員として働くことへの憧れも強くなり、先輩から精神科病院の相談室増員のお話をいただいた際には、迷わず転職を決意しました。

相談室では、外来・急性期病棟・療養病棟など様々な現場で入退院支援を経験し、制度理解だけでなく、院内外の医療職や地域の支援事業者との連携の重要性を実感するようになりました。

その後、地域支援の重要性と自分の視野の狭さを感じ、上司と相談のうえ、法人内の障害福祉サービスの相談支援事業所へ異動しました。ここでは、地域で暮らす障害者の相談・支援計画だけでなく、役所や地域の障害支援事業所との連携会議なども経験し、「本人の意思を尊重したチームでの支援」が何より大切であることを学びました。

これまでの経験を、地元である千歳に還元したいという思いは、いつしか私の中で大きくなっていきました。令和への改元を迎えた頃、「ちとせの介護医療連携の会」の求人を目にし、地域連携の仕事に携わりたいと強く感じ、応募を決意しました。

ご縁があり、令和元年9月より千歳市在宅医療・介護連携支援センターに勤務しております。

地元とはいえ、これまで先輩方が築いてこられた医療・介護の連携の輪に加わり、対等に渡り合っていくためには、まだまだ自己研鑽が必要だと日々痛感しています。

これからも学びを重ね、市民の皆様が安心して暮らせる地域づくりに貢献できるよう、精進してまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。